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NVidiaはGeForce2 GTSとGeForce2 MXで、ビデオチップ業界の勢力図を一挙に塗り替えました。その半年後、激震の余韻も覚めやらぬうちに投入されたのが、このGeForce2 Ultraです。
実はこのGeForce2 Ultraというビデオチップには、技術的にはさほど注目すべき点はありません。というのは、構成がGeForce2 GTSと同じであり、コアとメモリを高い周波数で駆動することによって高性能を実現しているものであるからです。GeForce2 GTSはコアクロック200MHz、メモリクロック166MHzのDDR動作でしたが、GeForce2 Ultraでは、コアクロックが250MHz、メモリクロックが230MHzのDDR動作と大幅に引き上げられています。両者の間にその他の機能や構造的な違いはありません。しかし、この高クロック化という変化こそが、GeForce2 GTSとGeForce2 Ultraの違いを決定付ける最大の要因だったのです。
GeForce2 Ultraの登場まで、GeForce2 GTSは比類なき高性能なビデオチップとして市場に君臨していました。夏頃に登場したATI RADEONが32ビットカラー時の性能では互角であるといわれていた以外は、他を寄せ付けない性能を持っていました。ところが、そのような立場にあったにもかかわらず、GeForce2 GTSは、実はまだGeForce2チップの性能を完全に発揮できてはいなかったのです。128ビット幅を333MHz相当で駆動するビデオメモリでは、GeForce2チップにとっては帯域幅が不足していました。GeForce2コアが本質的に持っている能力に対して、ビデオメモリの能力が不足していたのです。
GeForce2 Ultraと同時に出荷が開始された製品に、GeForce2 Proがあります。これはGeForce2 GTSのメモリクロックのみを200MHzのDDR駆動に変更したものであり、コアクロックは変化していないのですが、ベンチマークテストによってはGeForce2 GTSよりはるかに高い成績を残します。また余談ですが、GeForce2 MXはビデオメモリの帯域幅を故意に制限することで性能を制限し、上位製品との差別化を図っています。これらはGeForce2 GTSのビデオメモリ帯域幅がボトルネックになっていた裏付けであり、GeForce2 Proよりさらにビデオメモリの駆動クロックを上げた上でコアクロックも上昇させているGeForce2 Ultraの性能は相当に高いことが推測できます。実際に、GeForce2 GTSではRADEONと互角といわれていた32ビットカラー時での性能でも、GeForce2 Ultraはその後しばらく王者の座に君臨し続けました。
ただ、GeForce2 Ultraは優れた性能を持っていたのですが、搭載ビデオカードが高価であったことや、構成に新鮮味がないといった理由からか、あまり注目を浴びることはありませんでした。何より、NV20、すなわちGeForce3が2001年初頭に発表されるとされていたために、世間の興味はそちらに移ってしまったのでしょう。
GeForce2 GTSとGeForce2 MXがあまりに有名であり、GeForce3が注目を集めたため、GeForce2 UltraやGeForce2 Proは、その存在すら知らない人も少なくないかもしれません。しかし、GeForce2 Ultraという、GeForce2の完成形ともいえるビデオチップが確かに存在していました。期待を集めたGeForce3の陰に隠れて目立ちませんでしたが、たとえ束の間のものだったとしても、その性能は王者と呼ぶにふさわしいものだったのです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Codename NV16 / GeForce2 Ultra | |
| コアクロック | 250MHz |
| メモリクロック | 230MHz(DDR動作) |
| 製造プロセスルール | 0.18μm、約2,500万トランジスタ |
| パイプライン | 4本、パイプラインあたり2個のテクスチャ生成ユニット |
| フィルレート | 2000Mtexels/sec |
| T&L性能 | 3100万 Triangles/sec |
| 描画機能 | Per Pixel Shader,アンチエイリアス |
| その他の機能 | ハードウェアT&L |