GeForce2 GTS

新しい時代の革命

メーカーNVIDIA
ジャンルビデオチップ
発売時期2000年4月頃
性能★★★★★
マニア度★★★☆
影響度★★★★★

かつて、NVidia RIVA TNT2、Matrox Millennium G400、3dfx Voodoo3など、個性的なビデオチップがひしめき合い、覇を競い合った時代がありました。TNT2、G400、Voodoo3ともそれぞれ高クロック版が出荷されましたが、それらの中ではTNT2の高クロック版であるRIVA TNT2 Ultraが最も高いDirect3D描画性能を持っているといわれていました。後にこの群雄割拠の時代に終止符を打つことになるNVidiaが、徐々にその兆候を見せ始めたのがこの頃です。しかし、これら定評のあるビデオチップの間に決定的といえるほどの性能差はなく、ユーザーは趣味に応じてビデオカードを選んでいました。

しかし、GeForce256の登場により、状況は一変します。汎用ビデオカードとして初めてハードウェアT&L機能を搭載したGeForce256は、それまでのビデオチップとは一線を画す性能を持っていました。ただ、当初はこのハードウェアT&L機能に対応したソフトウェアがほとんどなかったため、高性能であることは間違いないものの、その性能はあくまでもRIVA TNT2 Ultraの延長線上という印象でした。

登場、その衝撃

それからわずか半年後、驚愕に値するほどの衝撃的な登場を果たしたビデオチップがGeForce2 GTSです。性能はGeForce256の約2倍という触れ込みでした。そのような宣伝文句には多分に誇張が含まれていることが多いのですが、GeForce2 GTSは本当にGeForce256の2倍といっても差し支えのないほどの性能を持っていました。その頃スタンダードな3Dベンチマークソフトだった3DMark2000のスコアを見て、ユーザーは感嘆したものでした。ハードウェアT&L機能を使用しない場合の性能でさえ、それ以前に主流だったいずれのビデオチップに対しても、勝負にならないほどの圧倒的な差をつけていたのです。

GeForce2 GTSは200MHzで動作し、166MHz DDR(333MHz相当)のビデオメモリが利用されます。GeForce256の動作周波数は120MHzなので、コアクロックは70%程度向上していることになります。またGeForce256では上位版にしか使用されていなかったDDRメモリが標準となっているため、それだけでも大幅な性能向上が見込めます。しかし、GeForce2 GTSは単に動作クロックが向上しただけでなく、パイプライン構成も改良され、さらに性能を上げる工夫がなされています。余談ですが、後に追加された上位版のGeForce2 Ultraは230MHzのDDR(460MHz相当)のビデオメモリをサポートし、ビデオメモリ帯域幅のボトルネックが解消された、GeForce2の完成形といえるビデオチップです。

Geforce2 GTSがもたらしたもの

GeForce2 GTSの登場から少し後、廉価版のGeForce2 MXが登場しました。GeForce2 MXはSDR版のGeForce256と同等以上の性能を持ちながら価格は1万円台前半という、やはり衝撃的な製品でした。GeForce2MXが登場した結果、しばらくの間、市場はハイエンドのGeForce2 GTSとメインストリームのGeForce2 MXというNVidiaの2製品で埋め尽くされることになりました。もう少し正確にいえば、メインストリームのGeForce2 MXこそが市場をNVidiaの独占状態へと導く原動力だったのです。しかし、そのGeForce2 MXも、GeForce2 GTSが存在しなければ生まれなかったでしょう。圧倒的な性能を持つGeForce2 GTSがあったからこそ、NVidiaはGeForce256と同等の性能を持つGeForce2 MXを市場に投入できたのです。

ビデオチップの歴史を語るとき、語り手が私でなければGeForce2 GTSではなくGeForce256を重点的に取り上げるでしょう。確かに初めてハードウェアT&Lに対応するなど、革新性という面ではGeForce256の方がGeForce2 GTSよりも勝っていました。しかし、GeForce256が革新であったならば、GeForce2 GTSは革命だったのです。GeForce2 GTSが登場したとき、GeForce256やG400MAX、あるいはVoodoo3など、それまで主流だったビデオチップはすべて色褪せた過去のものとなりました。GeForce2 GTSの存在以前と以後に登場したビデオチップの性能は大幅に違います。RADEONとRage128GL Pro、Voodoo5とVoodoo3の性能を比較すれば、それがよく分かります。残念ながらGeForce256には、GeForce2 GTSのような、すべてのビデオチップメーカーを震撼させるほどの力はなかったのです。

GeForce2 GTSは、ビデオチップの性能の基準を、それまでとは別次元といえるほどの場所まで大幅に引き上げました。また、廉価版ビデオチップとして、それまでの常識では考えられなかったほどの性能を持つGeForce2 MXにより、しばらくの間、NVidiaの一人勝ちの状態が続くことになりました。群雄割拠の時代からNVidiaの時代へと移り変わるきっかけとなった製品が、このGeForce2 GTSでした。

GeForce2 GTS データ

GeForce2 GTS 主要データ
項目内容
Codename NV15 / GeForce2 GTS-Giga Texel Shader
コアクロック200MHz
メモリクロック166MHz(DDR動作)
製造プロセスルール0.18μm、約2,500万トランジスタ
パイプライン4本、パイプラインあたり2個のテクスチャ生成ユニット
フィルレート800Mpixels/sec,1600Mtexels/sec
T&L性能3000万 Triangles/sec
描画機能Per Pixel Shader,アンチエイリアス
その他の機能ハードウェアT&L

関連項目


PCパーツものがたり