Blade3D

低すぎた志

メーカーTrident Microsystems
ジャンルビデオチップ
発売時期1999年
性能
マニア度★★★
影響度

画像はBlade3D(Trident 9880)搭載AGPビデオカード MSI MS8801。発熱が少ないため、ヒートシンクすら装着されていない。Blade3Dは、グラフィック機能統合型チップセットに使用されることが多く、性能も低かったため、Blade3D搭載AGPビデオカードは普及しなかった。

BLADE 3D搭載AGPビデオカード

日本国内でTrident Microsystemsといえば、NECのPC-98x1シリーズなどにビデオコントローラチップが多く採用されていたことで有名でした。しかし、もともとマザーボードにオンボード搭載することを目的として開発されていたためか、性能面で話題になることもあまりなく、RIVA TNTシリーズで頭角を現してきたnVidia、Voodooシリーズで3Dゲーム用ビデオチップとして定番の地位を獲得していた3dfxなどと同列に語られることはないメーカーでした。

そのような状況の中で、決してひっそりとではないにせよ、それほど注目を集めることもなく発表されたビデオチップが、Blade3D(9880)です。

華なき登場

この頃、手頃な予算でそこそこの性能を持ったビデオカードを買いたいというときの選択肢は3つありました。前述のnVidia RIVA TNT2、3dfx Voodoo3、そしてMatrox Millennium G400が、こういった場合の選択肢として挙げられていました。Direct3Dの高速なRIVA TNT2、Glide描画の高速なVoodoo3、そして3D描画でもそこそこの性能を持ちながら2D画質に定評のあったG400と、魅力的な製品が揃っていました。しかし、Blade3Dはこれらのビデオチップよりもかなり後になってから登場したにも関わらず、性能面ではそれらにはるかに及ばず、発熱が少ないという以外には特筆すべき点もありません。そのため、名前に冠している"3D"は飾りかと揶揄されたものでした。実際に3D性能はおまけ程度でしかなく、単にDirect3Dに対応したという程度の意味だったのかもしれません。

独自の用途に、そしてその終焉

Blade3Dチップを搭載した単体のビデオカードも何種類かはあるにはあったのですが、それよりもこのビデオチップの活躍の場は、統合型チップセットのビデオコントローラとしての用途でした。Apollo MVP4を始めとする、いくつかのVIA製チップセットのグラフィックコントローラとして採用されていなければ、誰にも知られないまま歴史の陰に消えてしまっていたことでしょう。必ずしも統合型チップセットのために開発されたわけでもなかったようですが、低コストで発熱も少なく、ヒートシンクなどによる冷却が不要というこの頃にしては既に珍しくなっていた特徴もあり、他のビデオチップとの相対的な性能を考えれば、特に国内ではそれ以外の目的で積極的に選択される理由はなかったといえます。

しかし、その後、チップセットに統合されたビデオコントローラの性能にも革命が起こります。Blade3Dの登場からはかなり時間がたってからのことではありますが、ほかならぬnForceの登場により、統合型チップセットのビデオコントローラは「ついていれば良い」という状況から、そこそこの性能が求められるようになり始めました。その後、ATIのRadeon IGPなど、内蔵グラフィックコントローラの性能を重視した統合型チップセットも増え始めました。

Trident MicrosystemsはBlade3D以降、BladeXPなどの新しいビデオチップを発表しますが、いずれも性能においてその時期の上位に食い込むことはできず、安価だが性能には期待できないビデオチップのメーカーだというイメージが定着します。その後、XGIに吸収合併され、PCグラフィックス市場から撤退してしまいました。

Blade3D(9880) データ

Blade3D 主要データ
項目内容
Blade3D
コアクロック125MHz
VRAM125MHz、64ビット、最大8MB
製造プロセスルール0.25μm
パイプライン調査中
フィルレート125Mpixels/sec
描画機能省略。DirectX5/6、OpenGL対応
インタフェースAGP 2X
その他の機能DVD再生支援

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